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  • 執筆者の写真陵亮 伊藤

【冷や汗の正体】健康雑学



こんにちは(^^♪整体×ヨガのプライベートサロン【Refresh Labo R.I.T.】整体師の伊藤です(^^) 今回は【冷や汗】についての記事です。 何か参考にしていただけると嬉しいです(^^♪ 前回の健康雑学の記事で”汗は優れた体温調節機能”であるということを書いていきました。 しかし、別に暑く感じていないのに汗がでるとき、ありますよね。 例えば ・お化け屋敷などでびっくりして驚いたとき ・スポーツ観戦などでドキドキしたり興奮したとき ・大きな失敗をして冷や冷やしたとき ・ケガなどで痛みを強く感じたとき などです。 言葉の表現にも 「手に汗握る」「冷や汗をかく」など 直接的に”体温の上昇””暑い”という時に出る汗とは別の意味でつかわれる”汗”があります。 これらの”汗”は「体温の上昇」とは直接かかわらず出る汗です。 汗にも性質的な種類があるわけですね!なるほどなるほど。



汗の種類

では、汗にはどのような種類があるのか? 今回紹介するのは大きく2つの種類です。

■温熱性発汗 温熱性発汗は、前回の記事で紹介した 「体温調節のための発汗」です。 暑いときに発汗することで効率よく熱を逃がし 身体の温度を一定に保つための機能です。 温熱性発汗の特徴としては、 ・手のひら、足の裏以外の体表面(一般体表)から出る ・持続的に発汗する ことが挙げられます。 ■精神性発汗 精神性発汗は「精神的な興奮にともなって出る汗」のことです。 こちらは「暑いからでる」わけではなく精神的な興奮によって出る汗です。 特徴は ・手のひらと足裏のみに出る ・一過性に発汗し、まもなく収まる ・犬や猫などの動物の足の裏にも同様の機能がみられる ことです。 これら2種類の汗は、汗のでる ・動機 ・部位 ・出方 が大きく異なりますが、互いに干渉しあい影響を与え合うため 完全には切り離すことはできません。 たとえば、「脇汗」は分類としては温熱性発汗にあたりますが 温熱性発汗が精神的な興奮の影響を受けて過剰に反応しているもの、といえます。 純粋な精神性発汗は「手のひら、足の裏からのみ出る」というわけです。



動物の”汗的なもの”

精神性発汗は実は人間だけのものではなく、犬や猫など動物にも似た機能があります。 温熱性発汗=”体温を効率よく下げるための汗”は人間と一部の類人猿のみに備わる機能ですが、 精神性発汗や、他の役割をもつ「汗的なもの」は動物にも備わっています。 動物に備わる精神性発汗は、生存のために備わった機能であり、たとえば 獲物を襲ったり、襲われたときに精神状態が興奮することで発汗し、 足裏を湿らせることで”滑り止め”の役割を果たす、と考えられています。 実験では、猫の足裏に精神性発汗を抑制する制汗剤を打つと 猫は滑って転んでしまったり、木登りができなくなる、とされています。 人間の場合でも、 例えば物をしっかりと握るときや、手先で細かい作業をするとき 「手に唾をつける」場面がありますが、 皮膚が乾いているよりも湿っていたほうが感覚が敏感になるため作業効率があがる、とされています。 おそらく何も知らずに、自然とその方法を見つけた先人の知恵はすごいですね!



温熱性発汗と精神性発汗の干渉

温熱性発汗と精神性発汗は別のメカニズムですが、互いに干渉しあっています。 そのことを研究した「暗算を用いた実験」があります。 この実験は、暑くした室内で多くの人に暗算をしてもらい、 手のひら(精神性発汗)と前腕(温熱性発汗)の出方を見た、というものです。 対象者は暗算が得意な人から苦手な人まで様々です。 実験の結果、

■手のひらの汗(精神性発汗)は必ず増える (精神的な興奮の程度(暗算の得意・苦手など)により個人差あり)

■前腕(温熱性発汗)の場合、 ・暗算が苦手で慌ててる人 → 汗が増える ・真剣に考え中の人 → 答えを出すまで汗が減る

■室温を下げると、温熱性発汗・精神性発汗ともに減る →精神性発汗も温度の影響を少し受ける

■2つの発汗の相互作用には個人差がある →その人の汗腺の能動化などの差

ということが明らかになったそうです。 前腕の汗の出方からは、温熱性発汗と精神的な興奮との関係がよくわかります。 また、室温を下げたときに精神性発汗である手のひらの汗が減ったことからも互いに干渉しあっていることが伺える結果です。 深いですね・・・!



カレーを食べると出る汗

ここまで温熱性発汗と精神性発汗について紹介してきましたが、 ついでにもう一つご紹介です。 「ただ暑いから出る汗」でも「冷や冷やして出る汗」でもなく、 「辛いものを食べたときに出る汗」です。 これを「味覚性発汗」といいます。 味覚性発汗は、味覚や痛覚の反射によって 顔面だけに、左右対称に起こる発汗です。 経験したことある方も多いと思いますが、辛いものを食べるとドッと汗が吹き出し、食べ終わるとスーッと汗が引きますよね。 特徴的な汗の出方ですが、この味覚性発汗も、身体を冷やすことで発汗が止まったり減ったりします。 つまり、この汗も温熱性発汗と相互性があり、「温熱性発汗に上乗せして出るもの」とされています。 ところで、辛いものといえば、インドや東南アジアなど熱帯地域に多い印象ですよね。じつは、それにも理由が・・・?



熱帯地域に辛いものが多いわけ

一般的に、食事をすると体温は上がります。 これは、食べ物を分解しエネルギーを取り出す”代謝”の過程で熱が生まれるためです。 特にタンパク質では、カロリー量のおよそ30%が熱へと変わります。 糖分だとおよそ6%、脂肪はおよそ4%と言われますので、相当な量が熱へと変換されます。 そのため、暑いときに肉ばかり沢山食べるとかなり暑くなっちゃいます。 熱帯地域で辛いもの、香辛料などが多い理由としては 赤トウガラシに含まれるカプサイシンなどによって 温ニューロン・温受容器が刺激され発汗の作用を促すため。 そうして発汗することで食後の体温の上がり方を抑える効果があるから、だと言われています。 しかし、一方では辛い物を食べなれている人は温受容器の感度が鈍り 暑さへの反応がしにくくなる(脱感作という)とも言われています。 確かに、みんながヒーヒー汗を流しながら辛いものを食べる横で 涼しい顔して汗も流さず食べられる人もいます。 そこまでいってしまうと、味覚性発汗による食後の体温調節には期待できないということです。 何事もほどほどにしておきたいですね。



まとめ

というわけで、いろいろな汗について紹介しました! 普段汗のことなんてそんなに考えないですが、勉強するとなかなか面白いです(^^♪ 何か参考にしていただけると嬉しいです!

次回 汗腺のしくみ

次回は「汗腺のしくみ」少しマニアックな内容になりそうです! お楽しみに(^^♪ 最後まで御覧いただきありがとうございました!



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