top of page
  • 執筆者の写真陵亮 伊藤

左右非対称の身体


こんにちは!整体×ヨガのプライベート隠れ家サロン【Refresh Labo R.I.T.】整体師の伊藤です(^^) 今回は身体のバランスについての内容です! 良い姿勢を作ろうとする時、 何となく「左右対称」を目指そうとしませんか? 例えば、 筋トレをする時でも ダンベルで右腕を20回鍛えたら 左腕も同じように20回、 左右均等にトレーニングすると思います。 しかし、 人間の身体は「そもそも左右非対称の構造」 筋肉や骨格のみを見ていくと、 たしかに左右対称で芸術的な構造をしていますが、 左右非対称なのは、内臓。 左には胃があり、右には大きな肝臓があります。 また、心臓も左寄りについていますよね。 これを念頭に置いて考えると また違ったトレーニングの方法や 姿勢バランスの整え方が見えてきます。 今回は「人間の身体は、そもそも左右非対称」ということを記事にしてます! 何か参考にしていただけると嬉しいです(^^)


呼吸器官の左右差


内臓の位置はほぼ全てが左右非対称であり、 また、それぞれの器官が各々の役割・機能を働かせて 全体でバランスを取り合っています。 胃や肝臓だけではなく、 呼吸器官にも左右差はあります。 呼吸といえば、「肺」をイメージすると思います。 肺は左右両側についていますが、 実はこれにも左右差があり、 右と左で機能性の優劣があります。 結論からいうと、 右肺の方が空気の換気量が大きく 肺のすぐ下にあり、実質「肺を動かしている」主要な呼吸筋である「横隔膜」も右側の方が機能性が高いです。 横隔膜の機能性の高さは、 呼吸だけではなく、体幹の維持や、自律神経のバランスを保つことにも 優位に関わりを持ちます。 なぜこのように左右差があるのか? 構造から考えると まず、心臓が左寄りについてるため 左肺は右肺に比べて大きさが小さいと考えられます。 肺の中は小部屋で仕切られるような形になっており その部屋を「」と数えます。 右肺が3葉あるのに対して、左肺は2葉しかありません。 この体積の違いは、肺を膨らませて空気を取り込む換気量にも影響します。 そして、肺のすぐ下には横隔膜があり、 右横隔膜のすぐ下に肝臓が位置しています。 肝臓はとても大きな臓器で、毒素の分解や栄養素の貯蔵など忙しく働いてくれています。 この肝臓がある影響により、 右の横隔膜は"ドーム状"を保ちやすくなります。 横隔膜は息を吸う時に収縮し下には下がり、 息を吐く時に弛緩して上に上がりドーム状になりますが、 現代人の多くの人は、横隔膜を弛緩させてドーム状に保つことが上手くいかなくなってしまっています。 横隔膜を緩ませてドーム状に保つことで 腸腰筋」などつながりを持つ筋肉が動きやすくなり、体幹の安定にも繋がります。 右の横隔膜は左の横隔膜に比べてドーム状をつくりやすく その分、左よりも右の方が安定しやすいわけです。


左右非対称は人間だけではない?

このように、人間の内側は左右非対称なわけですが、 これは人間に限ったことではありません。 例えば ◾️ザトウクジラ 餌を飲み込むときに右側を好む ◾️キツネザル 餌を掴む時に左前足を使う ◾️チンパンジー 左手で体を支えて右手で餌をもぎ取る など、動物の動きをよく観察すると それぞれの構造、左右差に見合った身体の使い方をしているそうです。 人間の場合で言うと、前述したように 右側の方が安定しやすい構造をしているため 重心を右側に置く傾向が高いそうです。


「右重心」とスポーツ

人間が右重心の傾向が強いことは、実は無意識で色々なとこに影響を与えています。 例えばスポーツ。 陸上競技も、野球も、スケート競技もハンマー投げのスピンも、 多くの競技は「左回り」で進んでいきます。 この理由には諸説ありますが 右足重心のために、右足で地面を蹴る方がバランスが取りやすくパフォーマンスが上がりやすい ことが考えられます。 面白いですよね!言われてみれば左回りです。 スポーツに限らず、日常の中にも 「右足重心」による影響は隠れているかも? たとえばコンビニの導線は多くの場合、 入り口を入ってから左回りに商品が並びレジに向かいます。 色々探してみるとおもしろいかもしれないですね(^^)



基本的に身体は歪みやすい?


人間は右足重心の傾向が強いのですが これは「基本的に人の身体は歪みやすい」とも言えます。 そもそも、「歪みを整える」=「左右対称」 をイメージしやすいですが 元来「左右非対称」なわけです。 また、人によって生まれ持った骨格も筋肉のバランスも少しずつ違うため「歪みのない状態」の尺度が変わってきます。 歪みのない=動きがスムーズで局所的な負担のない姿勢 だと言えます。 「左右対称」を目指しすぎて動きが固くなってしまうようでは 逆にどこかに負担をかけて「歪んでいる」とも言えますね。 …なかなか難しいです!

骨盤調整はするべき?

この「歪んでるかどうか」という問題意識は 「骨盤の歪み」という認識が高いように思いますが、 日本人は骨盤に対する意識が高いそうで、 海外では日本ほど「自身の骨盤の歪み」に敏感ではないのだそう。 上に「左右対称ばかりを目指しすぎてもなー」という旨のことを書きましたが、 とはいえ「骨盤の調整」は得られるメリットが多いためオススメです。 よく言う「骨盤調整」とは何をしているか? というと、 基本的には ◾️"仙腸関節"の可動を上げること、 ◾️"恥骨結節"のバランスを整えること ◾️股関節の可動域を上げること です。 これらを行うことで より身体の内側、インナーの筋肉が働きやすくなり 無理なくバランスのとりやすい姿勢になっていきます。 その結果 ◾️むくみ解消 ◾️冷えの解消 ◾️血行促進 ◾️外側の筋肉の負担が軽減 というように繋がっていきます。


「良い姿勢」とは?

骨盤調整だけでも沢山のメリットがあり やる価値はあると思います。 しかし、姿勢全体で考えた時に 骨盤へのアプローチのみでは 全体としての姿勢改善にはつながりにくいと考えられます。 以前に「良い姿勢とは?」という投稿をしました。 解剖生理学的、力学的な視点から "物体"としてのヒトの"バランスの良い状態"を説明した記事になります。 よければご一読を↓ 「良い姿勢とは?」記事はこちら この記事で欠けているのは、 人間(動物)は常に動いている」という前提でした。 "じっとしている"ことの方が少ないのに、 姿勢を測るときには"じっとしてもらう" というのは あまり実用的でない「良い姿勢」の作り方だと言えます。。 また、人それぞれ 骨の大きさや内臓器官の大きさなど 微妙に個体差があります。 一つ一つの差は微かでも、全体で見た時に 小さなズレから起こる「ベストなバランス」は 変わってきます。 そう考えると「その人に合った良い姿勢」がそれぞれあり、 「良い姿勢とは?」の記事で紹介した尺度では上手く測れない可能性が高まってきます。


姿勢を見るポイントとは?

◾️人間は常に動いている ◾️それぞれに生まれ持ったバランスがある ここを配慮して改めて「良い姿勢」を考えてみます。 改めて"人間の骨格"をイメージしてもらうと

めちゃくちゃ絶妙なバランスです。 この骨に筋肉が付いて姿勢を維持していきますが ポイントになるのは 内臓が収まっている肋骨と骨盤の間のスペース、お腹です。 お腹はよく"風船"に例えられますが この風船がしっかりしてるほど バランスは取れそうですね。 風船がしぼんで、ふにゃふにゃだと ちょっとしたことですぐにバランスが崩れてしまいます。 風船=腹圧。 腹圧がしっかりとしていれば体幹は維持しやすいのですが それを作るのは 横隔膜と骨盤底筋群がポイントとなります。 上から横隔膜、下から骨盤底筋群が "フタ"のような役割で"お腹の風船"を形作ります。 ここでポイントは 「横隔膜と骨盤底筋群のラインが水平かつ平行にあるか?」です。 例えば横隔膜のラインが片側下がったような状態だと、 風船の圧力は片側に逃げるような形でかかってしまいます。 しかし、だからといってヒトの身体は そのまま崩れ落ちるわけにはいきません。 体の1番上には司令塔の「脳」があり、 脳を守るため、崩れないように反射的に身体のバランスを保ちます。 その結果、必要以上に負担のかかってしまう筋肉が出てきてしまい、"凝り"や"痛み"に繋がってしまうんです。 横隔膜と骨盤底筋群が水平・平行に 「向き合った状態」が 体幹の安定性を生み、 筋肉や骨格に余計な負担をかけない スムーズな動き、「良い姿勢」を生むと言えます。


まとめ・構造的に誰しも歪んでる?!

ここまでダラダラと書いてきました! まとめますと、 左右非対称な構造をしている以上、 誰しも歪む!(左右非対称になる) 「歪み」の定義にもよりますが、 左右対称が、「歪んでいない」とするならば そもそもスタートから歪みやすい作りですもん。 というわけです。 では、良い姿勢とは?というと ◾️スムーズで筋肉や骨格に負担が少ない動き ◾️自分に合った、1番効率が良いバランス といえそうです。 これをつくるには ◾️全身を動かす(動物は動くことが前提の構造) ◾️横隔膜と骨盤底筋群を水平かつ平行に向かい合わせる (日本人は骨盤への意識は高いが、横隔膜を整える(呼吸)意識を持つ人は少ない) というわけです! いや〜、深い!

#整体の呼吸 では呼吸法も紹介してるのでご参考までに!↓ 今回も長々と書きましたが 最後までご覧いただきありがとうございました! 僕も書きながら学びを深めています。。 何か参考にしてもらえたら嬉しいです(^^) ありがとうございました!!

bottom of page