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  • 執筆者の写真陵亮 伊藤

【心と情動】

【心と情動】健康雑学



今回は「心と情動」について勉強したことをアウトプットしていきます。 「心はどこにあるのか?」 「心はどうやってできるの?」 というフワフワした話にも、現代では少しずつ科学的に解明が進んでおり、 大変興味深いです! 少し小難しい話ですが、何か参考にしていただけると嬉しいです(^^♪ 今回の話はこちらの本より勉強させていただいています。 「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」 (ブルーバックス) amzn.to 1,100円 (2021年02月15日 16:38時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

「心」はどうやってできる?


そもそも「心」とは何なのか?? 誰か他人に共感したり、喜んだり、悲しんだり そのような「感情」を「表現」するものだと言えそうです。 感情の起伏が少なかったり、感情表現がない人のことを「心無い人」という表現をすることもありますね。 以下Wikipediaより引用

心(こころ)は非常に多義的・抽象的な概念であり文脈に応じて多様な意味をもつ言葉であり、人間(や生き物)の精神的な作用や、それのもとになるものなどを指し、感情、意志、知識、思いやり[1]、情などを含みつつ指している。

ウィキペディアさんで「心」を調べてみましたが、とても抽象的な概念で 結局よくわかりません。 本記事では、「心」とは「感情」を表現するもの、ということでいきます。 「感情」を表現する「心」のもと・源泉となるものは「脳」でつくられます。 外部からの刺激を脳でキャッチすると、その情報をもとに脳は全身に信号をおくります。 信号によって、全身の器官は「心」を表現します。 では、「心」は脳にあるのか。というとそんなに簡単な話ではありません。 脳から信号を受けて反応する「全身の器官」は、反応によって”脳に情報をフィードバック”していきます。 「心」の源泉は「脳」にありますが、心を”完成”させるには全身の器官も重要な役割を果たしています。 「脳と全身」は個別のものではなく、ユニット器官として機能しているわけです。 昨今「AI技術」の発達が目覚ましく、 プロ棋士がAIに将棋で勝てない。。というニュースは記憶に新しいかと思います。 脳の一部の機能、計算や情報処理の分野ではAIのほうが人間の脳よりも優れており このままでは映画「ターミネーター」のようになるのでは?!という気持ちにもなります。 しかし、人間の脳にはAIには簡単にシュミレートができない部分がまだまだあります。 その一つが「心の源泉」をつくる機能です。

また、前述のように「脳と全身」はユニット機能で「心」をつくります。 AIが「心」を再現するには「全身の生体反応」をも完全に再現する必要があるのです。 詳しくは後述しますが、「心」は行動選択に大きく影響を与えます。 「心」のないAIは、プログラム通りに速く・正確に分析管理したりはできても、 「心」がないため「自らの行動を選択」することに関してはシュミレートができません。 「心」やそれを持つ「生き物」ってすごいですよね。。

「心」はどこでつくられる?


「心」は「脳と全身」のユニット器官によってつくられますが、 「心の源泉」は「脳」のどこでつくられるのでしょうか?? 動物の脳は新しい機能を外側に増築する形で進化をしてきました。 人間の脳が知能が高いのは、一番外側(進化的に新しい)の ”大脳皮質”の一部が異常に発達しているためだそうです。 しかし「心の源泉」を作り出すのは、この”大脳皮質”ではありません。 もっと脳の深部・原始的な部位でつくられます。

このことからも、「心の源泉」は、生物がまだ原始的な段階で生き残るために必要だった機能であることが伺えます。 この「心の源泉」を「情動」といいます。 情動の定義は”「感情」の客観的かつ科学的な評価” もっと細かくいうと、

■情動体験(≒感情) 情動にともなう主観的かつ精神的な体験 ■情動表出(身体反応) 情動にともなう行動の変化・生理的な変化

をまとめて「情動」といいます。 ややこしくなってきましたが、まだまだつづきます!

「情動」と「感情」


「心」は「感情」を表現するものであり、「心の源泉」は「情動」 では、「情動」と「感情」はなにがどう違うのか?? 簡単に説明すると(難しくて細かく言えない。) 「感情」のほうが「情動」よりも上位の概念だそうです。 脳が外部からの刺激を受けて情報をキャッチした際 「ストレス応答」をします。 「ストレス」というとネガティブなものに思われがちですが、 ”嬉しい””楽しい”などのポジティブな刺激であっても「ストレス応答」は起こります。 脳の「ストレス応答」によって 自律神経系や内分泌系が反応し、全身に信号やホルモンを送り 全身に影響を与えます。 この一連の流れは「情動」の仕業だといえます。 そして、「情動」の反応を脳の大脳皮質・前頭前野が「認知」し「感情」が生まれます。 「刺激によってうまれた情動でストレス応答して全身に影響いってるな~」 と「認知」するわけです。 こうして「認知」(情報のフィードバック)されることで脳では「感情」が生まれます。

「悲しいから泣く」のか「泣くから悲しい」のか


情動はどこから来ているのか、という論争は昔からずっとなされていたそうです。 有名な論争の一つに 「悲しいから泣く」のか「泣くから悲しいのか」 という論争がありました。

具体的には次の2つの意見の争いです。

■末梢起源説 環境からの情報  身体の末梢で反応(身体反応) 脳が察知 情動体験
■中枢起源説 情動が脳で起こる(情動体験) 信号を末梢臓器が受け止める 身体反応

「情動表出」が先か、「情動体験」が先か という論争で、なんだか 「卵が先か鶏が先か」みたいな感じもしますね。 現代の神経科学では、 「情動表出」と「情動体験」は並列的に起こる、とされており その後、「情動表出」によって脳に情報のフィードバックがなされ 「情動体験」はさらに装飾されていく。 この流れが定説となっているそうです。 「悲しいから泣く」のか「泣くから悲しい」のか?とう問いに対して、 現代の神経科学で答えるならば

「悲しむために”泣く”必要はないが、泣くことで悲しみはさらに強くなる」 ということになります。

なぜ感情が必要なのか?


「心」や「感情」「情動」について書いてきましたが、 そもそも、なぜ「感情」というものが存在するのか? これは、情動を生み出す機能が脳の原始的な部位に存在することからも シンプルに「生存確率を高めるため」に実装されてきた機能だと言えそうです。 すべての生物が「意思決定・行動を起こす」ためには「情動」が不可欠です。 食べ物を見つけたときの「喜び」天敵に遭遇した時の「恐怖」 身の危険を感じる「不安」

このような感情が生物を行動に駆り立てる原動力となっています。 この機能は人間も例外ではありません。

実は、人間が「選択」をしているときも多くの場合は ”情動が理性を超えて選択に影響を及ぼして”います。 いくら「自分の意志で選んだ」「論理的に判断したうえで選択した」 と思っていても、それらの理由は脳が後付けで考えたものであって 実際は情動に支配されている場合が多いのだそう。。 ちょっとショックな事実ですが、 「情動」と上手に付き合っていくためには”環境”や”身体の状態”に意識を向けて常に良い情動を生み出せる状態をつくり 成すべき”行動”との方向性を合わせておくことが効率化につながるのかもしれませんね。

モチベーションが高いときは作業効率も高いといった話にも納得がいきます。 論理的に考えることも大切ですが、情動を「感じる」感覚も大切にしていきたいですね。

「情動」は生まれつき備わっているのか?


我々を裏でコントロールする「情動」ですが、 これは生まれつき備わっているのか否か。 かの生物学者”チャールズ・ダーウィン”はこんな言葉を残しています。

人間を含む動物が示す主観的な表現は、生得的ないし遺伝的である。 つまり個が学習したものではない。

ダーウィンの説でいうと 「情動は生まれつきであり、学習は必要ない」ということになります。 しかし、現在の科学で定説とされているのは 「情動の基本的な応答」は生まれつきだが、その後の生活環境や経験・学習によってそのベースは常に書き換えられていく というものです。

これは数々の動物実験や観察によって明らかにされており たとえば、 サルはヘビを怖がるものですが、人口的な環境で育ったサルはヘビを全く怖がらないそうです。

自然で育ったサルは、母親の”ヘビに対する反応”を見て 「ヘビは怖いものである」と学び、そのような情動表出を身につけたといえます。

また、人間の場合でも 西洋人と日本人では、情動による表情の変化の仕方が違うといいます。

これは文化の違いなどによって、後天的に表情の使い方(情動表出)を学んだことを意味します。 「情動」が、学び身につけるものだとすれば、 それに伴う「行動」も 「情動が豊かな人のほうが行動も幅も豊富」というように考えれそうです。

情動を学び身につけていくには、 ・挑戦による経験 ・失敗による学習 が必要ですね。

色々やってみることが「心」を育てることにつながるのかもしれません。

まとめ


すこし難しい話でしたが面白いです! 「心と情動」を簡単にまとめると ■心の本質=感情 ■感情の大元=情動 ■情動=脳と全身のユニット情報によりつくられていく という感じですかね。 個人的に勉強したことをアウトプットしていますが 間違っているところや、説明不足なところも多々あるかと思います。 何かお気づきの点がございましたらコメント欄でご指摘いただけると嬉しいです(^^♪ また勉強したことアウトプットしていきます! 何か参考にしていただけると嬉しいです(^^♪ 最後まで御覧いただきましてありがとうございました!


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